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不勉強だった学生時代に(笑)読んでいた数少ない専門雑誌『造景』に寄稿する嬉しい機会をいただき、「景観法20年の到達点」という特集テーマに長崎市景観専門監の取り組みをご報告しました。

率直に言って景観計画で面白いのは前半の景観特性を考えるところで、後半の基準や手続きの検討や適合性チェックの運用は創造性がなくて面白くない(もちろん工夫次第だけど)。

特に「何のために」「何を目指して」の解像度が低く、「景観のための景観施策」は社会に支持されないと思ってます。

みんなで将来の風景イメージの解像度を高めて、それに向けて具体的に変わっていく、良くなってく、そういう面白いプロセスには、若い、優秀な人材も集まってきてくれるんじゃないかな、と。

景観法を軸とした施策体系をもっと面白くしていけたらと思います。まずはこれを読んで勉強します。発売は8/30です。すごい充実しているので皆様もぜひ!

7/11付で「筑後市都市デザイン専門監」に就任しました。これで専門監3事例目です。

長崎市があって、東村山市があってこその筑後市となりますが、これまでの2つの事例と違う点は、①羽犬塚駅〜庁舎までの中心エリア限定、②対象エリアでの事業を概ね5年間集中的に監修、③部局提案からの市長判断による設置というところです。

つまり、面的整備事業のデザイン監修を私に依頼するにあたって、委託やアドバイザーよりも内部化する判断をされての専門監と言うことで、このやり方は他自治体にとっても大変参考になる(真似しやすい)取り組みだと思います。個人的にはこうしたプロジェクトベースのISVが増えるといいなと以前から思っておりました。

良い成果を出せるように職員の皆様と力を合わせて頑張っていきたいと思います。中心市街地や駅周辺などで面的整備に取り組む他自治体の皆様、ぜひ筑後市にもご注目を!筑後市の皆様、よろしくお願いします!

筑後市ホームページ広報ちくごもぜひご参照ください。

昨年10月に長崎市で開催された「全国都市問題会議」(全国市長会等主催)で渡部市長からお声かけいただき、7月1日から「東村山市都市デザイン専門監」に就任し、初めての登庁となりました。

まずは、市長から委嘱状交付をいただき、その後に1時間の記者会見。市長から設置のねらいや経緯を熱くご説明いただき、私から自己紹介、二人で記者の質問にお応えしました。

続いて、幹部職員研修で講演。たぶん60名くらいの参加。すごい。皆様の熱い視線を感じ、研修後もたくさんお話しいただきました。

翌日は一般職員研修を午前午後の2回同じ内容で。前日聴かれた幹部職員から勧められて飛び入りの方も。私の講演後に、職員の皆さんの「推しスポット」を教えていただき、やっぱり公園や緑地が人気。こちらも研修後にたくさんお話しいただいて、どんどん繋がっていく。

長い長いお勤めのはじまりの日。東村山を良くしたい!という熱い思いがマグマのようにグツグツしていて、そこに参加させていただくことの喜びを感じ、もちろん、責任も。この熱量を活かすために力を尽くしていきたい、と素直に思う二日間となりました。

渡部市長はじめ東村山市の皆様、どうぞよろしくお願いします。

「長崎の歴史文化を生かした夜景まちづくり」が、令和5年度都市景観大賞景観まちづくり活動・教育部門の大賞(国土交通大臣賞)受賞しました!長崎市の皆様、おめでとうございます!!

1993年から約30年に及ぶ、平和の灯、ランタン、長崎夜市、夜景プロモーション等の市民活動と、長崎市役所による夜間景観整備、夜景眺望点整備等の一体的な取り組みが最高の評価をいただきました。

関わられた全ての皆様(のべ何十万人規模?)が受賞者です!私自身も、まちなか夜間景観整備事業や稲佐山スロープカー等に関わってきましたので、当事者の一人としてもとても嬉しい受賞です。

6/15には、国土交通省にて「令和5年度都市景観大賞 国土交通大臣表彰 表彰式」が行われ、受賞者を代表して鈴木市長が、石井副大臣より表彰状を授与されました!

これで「出島地区」の令和3年度都市空間部門と合わせて、両部門大賞受賞となりました。二冠達成です!やりましたね!先人たちが積み重ねてこられた成果を未来に繋いでいく契機となりましたら。

詳細は国交省HPをご参照ください。

『新都市』2023.5月号

特集「都市空間の再構築と都市デザイン」

目次はこちらをご覧ください。

京大の山口さん、横浜市の桂さん、富山大学の久保田先生、国士舘大学の西村さん、日建設計の八木さん、スペースシンタックスの高松さん、UDCKの三牧さん等、充実した執筆陣が、理論と仕組みと実践事例による、わかりやすい文章を執筆される中…(大変勉強になりました)

私は、自身の経験に基づく、思い(こみ)の文章を投稿してしまいました笑。まあ、一人くらいそんなんがいてもいいでしょうか。ちなみに、タイトルとセクションタイトルは以下の通りです。

まちづくりプロジェクトには連携とか協働が必要だって言うけど、それにはかなり高度で、ロングスパンな「マネジメント」が必要だと伝えたくて書きました。全国でまちづくりに取り組まれる皆様の参考になりましたら。

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「エリア価値創造に向けた都市デザインマネジメントの課題」

一般社団法人 地域力創造デザインセンター

代表理事・高尾忠志

1.はじめに

2.「エリアの価値創出に向けたビジョンの合意」に向けて

1)「統制力の高い環境」への対応

2)「まだ誰もみたことのないもの」を事前合意する

3.「施設や空間等のフィジカルデザインに関するトータリティの実現」に向けて

1)ビジョンに基づいて「それぞれの事情」をとらえなおす

2)ビジョンに基づいてディテールまで「地道に」調整する

4.「つかう」「かせぐ」による持続的な価値創造に向けたハード整備と運用の仕組みの構築

1)「つくる」と「つかう」の一体的な検討

2)ハードとソフトをつなぐ「OS」のアップデート

5.さいごに:「長崎市景観専門監」という仕組み


『新建築』2023.5号に「長崎駅」が掲載されました!

座長である篠原先生、林先生等学識の先生方、設計領域を中心とした設計チームの皆様、施工者の皆様、鉄道・運輸機構、JR九州、県、市等の関係機関の皆様等、多くの関係者のご尽力の賜物です。

新建築データ

個人的には、由布院駅隣のツーリストインフォメーションセンター(坂茂建築設計)、出島表門橋、長崎市庁舎に続いて4例目です。これからも土木、建築、ランドスケープ等、分野横断の公共デザインマネジメントに取り組んでいきます!

景観専門監としての10年の取り組みをまとめた『長崎市景観専門監レポート2013-2022』を作成しました!2023.3.23に田上市長に提出し、2023.3.27に長崎市ホームページに全編PDFファイルがアップされました。

長崎駅、出島表門橋、新庁舎、まちなか夜景等、代表的な16事業を写真メインで紹介してるので、パラパラめくるだけで長崎市の公共事業の底上げを実感できます。市長や若手中堅職員の皆様からも有り難いメッセージを寄せていただいてます。

全国でまちづくりに取り組まれてる皆様に、インハウス・スーパーバイザーやデザインマネジメント、職員の育成等、今後のまちづくりの参考にしてただけたら幸いです。ぜひご覧いただけましたら!

本日開催した第5回天ヶ瀬温泉街デザイン会議で地域や関係機関の皆様に確認いただいた復興まちづくり計画案を、天ヶ瀬ゴレンジャー(統括:高尾、防災減災:鶴成、夜間照明:長町、商業振興:木藤、土木デザイン:増山)から原田市長に提出しました!

たくさんの思いが詰まったチャレンジングなビジョンの実現に、来年度からも引き続き力を尽くしていきます。すごく良い計画となり、ここからが本当のスタート!!

「ここから柳川のまちをてんてんとめぐる」というコンセプトでまちなか各地に展開していく「小さな交通拠点」=cotenこてん。まずは市民会館suito、水の郷ホール、沖端観光案内所の3カ所からスタート!まちネタを市民の皆様に書き込んでいただくボードも少しずつ情報増えてます。

ウォーカブルがホットトピックな昨今、まちなか回遊をサポートする情報デザインの先進的な取組みになると思います。企画は3年かがりの職員ワーキングで、交通計画専門の五十嵐さんからの提案をもとに。デザインは柳川のローカルデザイナー垣外さん。ステキに出来上がりました!

本日長崎では珍しく白雪が舞う中、新庁舎の落成式が滞りなく行われました。これで、10年前の景観専門監就任時からご依頼いただいていた出島表門橋、新幹線駅舎、新庁舎の三大事業が出揃いました。これまでたくさんの完成式典をご一緒してきた田上市長と記念撮影。関係者の皆様も本当にお疲れ様でした。

特に新庁舎建設に関しては基本設計の企画段階となる2016年から本格的に専門監監修プロジェクトとなり、それまでの決定を踏まえれば高層建築にならざるを得ない条件の中、設計者選定プロポーザルを企画。さらに、反対や疑問の世論と向き合う市民ワークショップ、シンポジウムの全体ファシリテーションを務め、当時の赤倉室長や山下設計の筬島さんらと建設の必要性や設計案を丁寧に説明しつつ、そこでいただいた1000件以上の市民意見を丁寧に整理し、可能な限り設計に反映させていくプロセスを積み重ねてきました。

実施設計や施工段階でもたびたび専門監協議をしてきましたが、外観についてはながさきデザイン会議の専門家の皆様にもご意見をいただき、広場や展望フロア、市長応接室等については、長崎らしさを埋め込むための工夫を職員や山下設計の皆さんとああでもないこうでもないと議論しました。今日拝見して、特に第二応接室の瑠璃庵さんの長崎湾の四季を表現したガラス細工が素晴らしく、急でしたがお願いできてよかった。

そうした日々を思う時、今日の落成式は喜びと安堵、反省も含めて感慨深く、専門監個人にとっても、大きな節目の日となりました。新年1/4から開庁、春には広場などの外構も完成します。お向かいの魚の町公園、市民会館とセットで、市民の皆様の暮らしをより豊かにし、まちなかに人を送り出すスポットになればと思います。